行政書士の仕事 〜 商法・会社法関係
■ 商法・会社法のお仕事
すでに述べてきたことと重複しますが、行政書士の仕事として企業・会社・個人事業関係の仕事が重要です。
仕事をもらえるパターンとしては、
・相続など個人依頼者からの不定期パターン
・士業繋がりでいただけるパターン(司法書士や税理士などから)
・会社などのお仕事で、定期的にはいるパターン
だいたいそんな感じで、(どこを得意にするかにもよるのですが)やはり個人事業でも企業でも会社でもなんでもいいんですが、そういうところから仕事をもらえるようになると、事務所としても安定してきます。
そういう意味で、やはり商法・会社法関連の仕事内容をあらかじめきちんと整理しておくことは重要です。
行政書士試験の難易度という意味で、現行制度だと商法が一番難しく、そのため、合格者でも商法が苦手という方は少なくないと思います。
また、平成18年商法改正以前の合格者は、商法・会社法の内容が大きく変化しているため、もう一度勉強し直す必要があり、やはり苦手意識を持っている方が少なくありません。
逆にいえば、そうだからこそチャンスはあるわけです。
■ 依頼者の質問パターンに応じてあらかじめ整理しておく
商法・会社法関係の、依頼者の質問パターンというのは、ある程度までは決まっています。
自分が得意としている仕事の内容にもよりますが、個人事業者であれば、行政庁への申請と同時に、
「個人事業から法人成りするメリットは? 時期は?」
と訊かれるのは、けっこうありがちです。
だからその答えはあらかじめ用意しておきたいところです。
もちろん、税理関係の専門的アドバイスは税理士法で禁じられているはずですが、税理士法に抵触しない範囲で法人成りのメリットを説明できなければならないでしょう。
だいたい純利益が年間3,000万円を越えた頃から、個人所得税と法人税との比較で、法人成りのメリットが出てくるようです。
細かい話はここではしませんが、ある程度、例えば法人の住民税率(10%)と所得税率(800万円超で20%)くらいはスラスラと言えるようにはなっておくべきでしょう。
専門外でも、このくらいは知っておかなければなりません。
会社を設立するのに必要な手続については、もちろん専門家として知っておかなければならないところです。
行政書士試験の勉強では、会社には株式会社と合名会社、合資会社、合同会社の四種類がある、くらいしか勉強していないわけですが、実務では、そのうちどれが一番安いのか、どれが一番良いのか、そういうことを説明できなければなりません。会社設立時の登録免許税額が違います。また、設立時に添付しなければならない書面が違います。
これらはパターンで解答できますから、自分なりに整理しておかなければなりません。
会社設立関連は、飛び込みの客でも訊いてくるケースがあるので、ここはしっかりやっておきたいところです。
また、相手が中小会社であれば、株主総会議事録・取締役会議事録などの作成を依頼されることがままあります。
株主総会は最低でも年1回、取締役会は最低でも3ヶ月に1回は開催されますから、議事録作成というのは定期的です。普通は企業の法務部が作成しますが、中小企業だとそうした仕事を回してくれるところもあります。
その代わりというか、そうした会社からは、やはり役員関連のいろいろな質問を受けることになります。まあ、当たり前といえば当たり前です。
役員(取締役)の任期、代表取締役交代の手続などです。
そういう仕事が回ってくるのであれば、会社法の規定をしっかり整理しておかなければならないでしょう。
現行の商法・会社法は非常に難しい法律です。
だからこそ、仕事を増やしていくには一番強いポイントになります。
身近な法律家としての、行政書士の腕の見せ所ではないでしょうか。